ディクテーションとは
ディクテーション(聞き取り書き取り)は単純な練習です。韓国語の一文を再生し、聞こえた通りにハングルで打ち出し、正解文と照らし合わせます。
普段のリスニングでは、聞き取れなかった部分も文脈で補って「だいたいわかった」つもりになりがちです。ディクテーションは一語ずつ書き出すぶん、ごまかしがききません。打てなかった音が、まだ聞き取れていない音です。
なぜ効果があるのか
イランの対照研究では、初級の英語学習者60人を2グループに分け、一方は教材通りの練習だけ、もう一方は同じ練習に加えて学期中に11回のディクテーションを行いました。学期末には、ディクテーションを行ったグループの方がリスニング理解力の伸びが有意に大きいという結果が出ています(Kiany & Shiramiry, 2002, TESL Canada Journal)。
英語学習が対象の研究ですが、聞いた音を書き出す作業には言語を問わず効くところがあります。自分がどの音を聞き取れていないか、はっきり確認できる点です。
毎日1文でできる練習法
- 難度を選ぶ:初めて聞いて7〜8割くらいわかる文がちょうどいい難度です。
- 1回通しで聞く:まずは全体の意味をつかみます。
- 聞きながら打ち出す:聞き直しは上限を決めて(例:3回まで)。聞き取れない部分は空けて構いません。
- 答え合わせをする:音節ごとに照らし合わせます。
- 間違いを分類する:次の章を参考にどの種類か見極めます。
- 正解を見ながらもう一度聞く:音と文字を一致させます。
1文あたり2〜3分。週末に1時間より、毎日1文のほうがずっと続けやすいです。
日本語話者が韓国語リスニングでつまずきやすい音
答え合わせでは、日本語話者のミスは次のようなところに集中しがちです。
- 連音化:パッチムの直後に母音の音節が続くと、その子音は次の音節の頭に移って聞こえます。「먹어요」は「머거요」に近い音になります。
- パッチムの中和:文字上は種類が多いパッチムも、実際の発音は限られた代表音にまとまります(ㄷ・ㅌ・ㅅ・ㅆ・ㅈ・ㅊ・ㅎが「t」寄りの音になるなど)。
- 平音・激音・濃音:「가・카・까」のように息の強さと喉の緊張で区別する3種類の子音があり、日本語の「か」「が」の2種類より聞き分けが難しくなります。
- 鼻音化:パッチムのㄱ・ㄷ・ㅂの直後にㄴ・ㅁが続くと、その音がㅇ・ㄴ・ㅁに変わります(「국물」は「궁물」に近い音)。
漢字語は日本語の漢語と発音が近いぶん、早合点で聞き間違えることもあります。自分の間違いがどれに当たるか知っておくと、次に何を意識すればいいかがはっきりします。
よくある落とし穴
- 長い音声に手を出しすぎる:動画をまるごとディクテーションして最初の1分で挫折するパターンです。まずは1文から。
- 無制限に聞き直す:20回聞いてようやく打てた状態は、聞くより当てずっぽうで探しているだけです。
TOPIKやハングル能力検定試験(ハン検)を受ける人へ:ディクテーションは毎日のウォームアップで、試験対策の代わりにはなりません。ハン検は5〜2級で聞き取りが100点中40点・30分、筆記が60点です(ハングル能力検定協会)。設問形式や時間配分は公式の過去問で練習を。試験対策のリスニング練習もどうぞ。
Atomic Learningで毎日1文を練習
Atomic Learning はこの練習をアプリの習慣にしたものです。毎日、韓国語でノーマル1文・ハード1文が届き、打ち出すとハングルの音節ごとに正解・不正解がわかります。分かち書きと句読点は採点対象外、入力にはハングルが打てるキーボードが必要です。
このページの一文はすぐに試せます。もっと練習したい人は韓国語のリスニング練習へ、採点は使い方で確認できます。英語も学んでいる人は英語ディクテーションのやり方もどうぞ。