ディクテーションとは
音声を聞いて、聞こえた英語を一語一句書き出し、原文と照らし合わせる練習法です。基本のやり方は英語ディクテーションのやり方にまとめてあるので、ここでは英検のリスニング対策に絞って書きます。
英検の一次試験本番では、リスニングの音声は聞き直せません。ディクテーションは、聞き直せる環境でも「一回で全部聞き取る」を自分に課す練習なので、この一発勝負の感覚を先に慣らしておけます。
なぜディクテーションが効くのか
イランの語学学校での対照実験があります。初級EFL学習者60名を30名ずつ2グループに分け、統制群は教科書のリスニング練習だけ、実験群はそれに加えて学期中に11回のディクテーションを行いました。学期末には、実験群のほうがリスニング理解力の伸びが有意に大きいという結果でした(Kiany & Shiramiry, 2002, TESL Canada Journal)。
これは英検の得点そのものを扱った研究ではなく、リスニング理解力全般についての結果です。それでも、自分がどの単語を聞き取れていないかが具体的にわかるという、過去問演習だけでは得にくい利点があります。
英検リスニングの構成(準2級・2級・準1級)
英検公式サイトで確認できる、一次試験リスニングの構成です。いずれも大問ごとの放送回数は1回で、2024年度のリニューアルでもリスニングの形式に変更はありません。
準2級(約25分、全30問)
- 第1部・会話の応答文選択:10問。会話の最後の発話に対する応答を選ぶ形式で、選択肢は印刷されず読み上げられます(3肢選択)。
- 第2部・会話の内容一致選択:10問。4肢選択、選択肢は印刷されています。
- 第3部・文の内容一致選択:10問。短いパッセージの内容についての質問に、印刷された4つの選択肢から答えます。
2級(約25分、全30問)
- 第1部・会話の内容一致選択:15問。4肢選択、選択肢は印刷されています。
- 第2部・文の内容一致選択:15問。同じく4肢選択で、選択肢は印刷されています。
準1級(約30分、全29問)
- 第1部・会話の内容一致選択:12問。4肢選択、選択肢は印刷されています。
- 第2部・文の内容一致選択:12問。同じく4肢選択です。
- 第3部・Real-Life形式の内容一致選択:5問。アナウンスや案内など、より実生活に近い場面の放送内容について答えます。
準2級の第1部だけ選択肢が読み上げられる点に注意してください。ここは会話文に加えて選択肢の音声も聞き取る必要があるので、印刷された選択肢を目で追える他の大問とは負荷のかかり方が違います。
毎日1文の練習法
- レベルを選ぶ:一度聞いて7〜8割わかる文が目安です。
- 通しで聞く:一時停止せず、まず全体の流れをつかみます。本番同様、聞き直せない前提で臨むと効果的です。
- 聞きながら入力する:リプレイの上限(例:3回)を先に決めておき、聞き取れない箇所は空欄のまま進めます。
- 答え合わせをする:単語ひとつずつ、原文と照らし合わせます。
- 間違いを分類する:次の項目を参考に、自分のパターンを確認します。
- 原文を見ながらもう一度聞く:耳で捉えた音と文字を一致させます。
1文あたり2〜3分です。過去問演習の前後に、毎日この一巡を挟むだけで十分です。
英検リスニングで聞き逃しやすいポイント
放送回数1回という条件のもとで、答え合わせをすると特に落ちやすいのがこのあたりです。
- 選択肢を読みながら聞く負荷:2級・準1級は4つの選択肢を目で追いながら会話を聞くため、選択肢を読むことに気を取られて本文の後半を聞き逃しがちです。
- 数字・日付・否定語:一語だけで正誤が変わる情報は、文中では弱く短く発音されるため特に聞き逃しやすいです。
- 言い換え表現:選択肢は会話中の語句をそのまま使わず、別の言い方に言い換えてあることが多いので、聞こえた単語だけを拾って照合すると選びにくくなります。
- 連結・弱形:「kind of」「pick it up」のように単語の境目が消えたり、“a”・“the”・“to” が弱く短く発音されたりする部分は、日本語話者の耳には特に残りにくい音です。
よくある落とし穴
- 長い教材でやりすぎる:過去問の長いパッセージをそのままディクテーションに使うと、最初の1文すら終わらず挫折しやすくなります。まずは短い1文から。
- 無限にリプレイする:同じ文を何十回も聞き直して書けたなら、それは聞いているのではなく当てています。本番は1回しかないことを思い出してください。
- ディクテーションだけで満足する:ディクテーションは音を単語に結びつけるウォームアップで、英検の問題形式・時間配分・選択肢の絞り方に慣れる練習ではありません。過去問・予想問題は別に確保してください。
Atomic Learningで毎日1文練習する
Atomic Learning はこの練習を毎日の習慣にしたアプリです。毎日、ノーマル・ハード各1文の英語が届き、聞いて入力すると単語ごとの正解・不正解がわかり、聞き取れなかった単語は自動で復習リストに集まります。文は自然な音声合成(TTS)で読まれ、大文字・小文字や句読点は採点対象外、英語の短縮形はどちらの書き方でも正解です。ダウンロードも毎日のチャレンジも無料で、登録も広告もありません。
この記事にも、今すぐ試せる英文が用意されています。もっと練習したいなら英語のリスニング練習ページへ、採点の仕組みは使い方で確認できます。英検を含めたリスニング試験対策の位置づけは、試験対策のウォームアップにまとめています。