「聞けているはず」なのに聞き取れない
単語帳は何冊も終えた。文法問題集も繰り返した。英文を読めば大意はつかめる。それなのに、TOEICや英検のリスニングだけ点数が上がらない、映画やニュースの英語が同じようには聞き取れない――この壁にぶつかっている人は少なくありません。
なぜ起きるのか:文字の勉強と音の処理は別のスキル
原因の多くは、単語や文法の勉強量ではなく、その英語を音声として処理した経験の少なさにあります。
- 多くの受験英語・資格試験対策は黙読と問題演習が中心で、音声そのものに触れる時間が短くなりがちです。文字では知っている単語でも、実際の話される速さと音の変化の中で出会った回数が少なければ、耳はその単語を拾えません。
- 単語を文字とカタカナ発音のセットで覚えていると、実際の英語の音とズレたまま定着し、正しい音を聞いても一致しないことがあります。
- 会話では単語同士がつながったり、弱く短く発音される語があったりします。書かれた英文を目で追うときには意識しない変化なので、読解の練習だけでは気づかれないまま残ります。
つまり、語彙力や文法力の不足ではなく、音声としての英語に触れた量と、その中で単語を拾う練習の不足が伸び悩みの背景にあることが多いのです。
毎日1文の具体的な対策:ディクテーション
音声を聞いて、聞こえた英語を一語一句書き出し、原文と照らし合わせる練習法です。やり方は英語ディクテーションのやり方に詳しくまとめていますが、要点は次の3つです。
- 一度聞いて7〜8割わかる文を選ぶ:簡単すぎても難しすぎても、聞き取れていない場所が見えません。
- 聞こえた通りに書き出す:わからない単語は空欄にして、当てずっぽうで埋めません。
- 答え合わせで、書けなかった単語だけを確認する:正解率ではなく、どの単語・どの音を落としたかに注目します。
これを毎日1文続けると、「なんとなく聞き取れない」が「この単語のこの音が聞き取れていない」という具体的な情報に変わっていきます。単語自体は知っているのに、耳がその音をまだ拾えていないだけ、というケースは実際によくあります。
イランの語学学校での対照実験では、初級EFL学習者60名を2グループに分け、一方は教科書のリスニング練習だけ、もう一方はそれに加えて学期中に11回のディクテーションを行いました。学期末には、ディクテーションを行ったグループの方がリスニング理解力の伸びが有意に大きいという結果でした(Kiany & Shiramiry, 2002, TESL Canada Journal)。
他のアプリで補うところ
ディクテーションが鍛えるのは、一語一句を正確に聞き取る力です。それ以外の部分は、目的に応じて他のアプリと組み合わせると補えます。
- まとまった量の英語に触れたい → ニュース記事をもとに学習メニューを作るPOLYGLOTS(レシピー)
- 聞き取れても言葉が出てこない → AIを相手に話す練習ができるスピーク(Speak)や、講師と話すレアジョブ英会話
- TOEIC・英検の点数そのものを上げたい → TOEICリスニング対策・英検リスニング対策で出題形式にも慣れる
目的別のアプリの選び方は英語リスニングアプリのおすすめに、毎日の時間配分は毎日の英語リスニング習慣の作り方にまとめています。
Atomic Learningで毎日1文から始める
Atomic Learning は、この練習を毎日の習慣にしたアプリです。毎日ノーマル・ハード各1文の英語が届き、聞いて入力すると単語ごとの正解・不正解がわかり、聞き取れなかった単語は自動で復習リストに集まります。文は自然な音声合成(TTS)で読まれ、大文字・小文字や句読点は対象外、英語の短縮形はどちらでも正解です。ダウンロードも毎日のチャレンジも無料で、登録も広告もありません。
このページにも、今すぐ試せる英文が用意されています。採点の仕組みは使い方で確認できます。